ポイントは
・財政再建団体になることが財政破綻ではない
・気前よくかす金融機関の存在
・自前課税権があるからつぶれないとの説
・貸し手審査による法の制度化
以下まとめノート
・財政再建団体になることが財政破綻ではない
財政再建団体とは、単に決算上一定規模(市町村の場合標準財政規模の20%)を超える赤字を出した自治体のうち、政府の管掌のもとでその赤字を解消する方途を選択した団体をいうに過ぎない。
もちろん政府の手をわずらわすことなく自主的に再建する選択も可能だ。
参考までに某wikiによると
「財政再建団体(ざいせいさいけんだんたい)とは、地方財政再建促進特別措置法(再建法)に基づき、赤字額が標準財政規模の5%(都道府県)または20%(市区町村)を超えた破綻状態にあり、総務大臣に申請して指定を受けた地方自治体のことをいい、正式には「準用財政再建団体」という。財政再建団体への指定はしばしば企業の倒産に例えられるが、破産や民事再生法適用の場合と異なり、地方債の完済が前提となっている。」
よって、
いずれにせよ、財政再建団体入りと財政破綻すなわちデフォルトとが連動しているわけではなく、両者は直接関係ない。
例えば夕張市の場合でも、
巷間伝えられるところでは同市は市債残高が187億円、第3セクターなどの負債で市が負担しなければならないものが 120億円あるほか、巨額の赤字を粉飾するためのヤミ起債を含む短期借入金が300億円近くもあるとのこと
それでも市の支払が滞ったとの報道には接していない。
つまりデフォルトは起こっていない。
・破綻しない理由 「気前良く貸し込む金融機関」
夕張市ほど悲惨な財政状態でも財政破綻が現実化しないのはなぜか。それは金融機関が気前よく貸し込んでいるおかげである。
短期借入金はルールに従えば年度内に全て返済しなければならないのだが、夕張市にそのルールを適用すると即刻デフォルトに陥ることから、金融機関が今日までずるずると支えているのだろう。
・中小企業との扱いの差異 政府の保証はない
しかし、こんな危うい状態をいつまで続けられるだろうか。金融機関が中小零細企業の不良債権を厳しく査定していることとの取扱い上の違いをどう説明できるのか。
「自治体の債務には政府の保証があるはずでは」と、金融機関の関係者から尋ねられることがある。
たしかに自治体の起債すなわち長期債務に政府の関与はあるが、だからといって政府保証などは毛頭ない。まして短期借入金は政府の関与の外だ。
・自前の課税権との関係
「自治体には自前の課税権があるから破綻などありえない」との主張もよく耳にする。
しかし人口1万3000人の夕張市で毎年徴収される税収はわずかであるのに、支払うべき債務の額は膨大だ。仮に短期借入金も長期債務も一律に10年で返済するとした場合、毎年の返済額は60億円を超えることになるだろうが、その額は市の標準財政規模である45億円をはるかに上回る。これでは課税権があっても焼け石に水だ。
・破綻してもつぶさない
解決策ウルトラC「200年分割払いへの債務書き換え」
自治体は教育や福祉などの公共サービスを提供しなければならないので、民間企業のようには破綻させられないとの説明は必ずしも間違いではない。ただし、正確には財政破綻をしても潰すわけにはいかないということだ。自治体自体の清算はできないが、債務の圧縮や債権放棄など必要な債務処理は行わなければならない。
債務圧縮をしないでデフォルトを避ける方法がないわけではない。債務の書き換えによる返済の繰り延べだ。筆者の荒っぽい計算によると、夕張市の負債を200年分割払いにでも書き換えれば、無理のない財政再建が可能となる。実は幕末期の薩摩藩が強引に採用した再建策が、250年分割払いに書き換えることによる返済の繰り延べだった。幕末から250年といえばまだ返済期間中になるが、薩摩藩を継ぐ鹿児島県が律儀に上方商人に返済しているはずもない。結局は維新のどさくさの中で「踏み倒し」になっている。
自治体の再建型破綻処理の仕組みはこれまで何も決められていない。再建には思い切った歳出削減や住民の負担増などを当然伴うが、夕張市のような財政状態ではそれでは間尺に合わない。抜本的解決策としては大幅な債務の圧縮ないし超長期の返済繰り延べぐらいしかなさそうだが、いずれにしても債権者にリスクを強いることになる。
・貸し手の審査による破綻防止策
そもそも破綻法制とは、債権者のリスクを法律上制度化することにほかならない。決して例外的に発生したとはいえない夕張市の破綻も債権者のリスクを現実化しなければ解決できないだろうし、事実上ヤミ起債に手を貸した金融機関の貸し手責任も問われてしかるべきだ。また、たとえいかに精緻な財政指標を考案し、あるいは貸し手でもない政府の関与を強めたとしても、所詮はリスクを背負った貸し手の審査にまさる破綻防止の手立てにはなり得ない。破綻法制の検討に金融界も大いに参画してもらいたいと筆者が考えている所以(ゆえん)でもある。
・具体的に財政再建に適用になった場合
ず当該自治体から総務大臣への申請を受ける。総務大臣による「財政再建準用団体」指定後は、国の指導・監督のもと「財政再建計画」を策定する。これには、地方議会の議決と総務大臣の承認が必要。同計画にもとづき、予算が編成され、歳入・歳出の両面にわたって厳しいチェックを受ける。
再建過程では、赤字は起債(借金)で埋め、当該負債に対しては国が利子補給を行うなど、国から財政優遇措置を受けることができる。再建計画では、おおむね七年度以内に歳入と歳出の均衡が実質的に回復するよう、計画される。
自治体には倒産後の会社整理に相当する概念はなく、地方債についても債務不履行は想定されていない。金融機関等は、財政状況の悪い自治体の地方債でも国の後ろ立てがあるとの前提に立って低金利で引き受けている。このため市場原理によるチェック機能が働いておらず、会社更生法や民事再生法のように貸し手責任を問う破綻法制を自治体に対しても整備すべきだとの意見もある。

